2010年04月03日

Poetry Garden Radio 9/木立悟「心のラインを持つ詩」


木立悟「心のラインを持つ詩


今回のPoetry Garden Radio 9回目は「心のラインを持つ詩」と題して木立悟さんの作品を紹介します。独特のスタイルを持ち、目には見えない世界を描き出す木立さんの作品の中でも特に短詩(短歌と俳句)を取り上げました。


ラジオの中で紹介した木立さんのHPの写は:

http://gogonoko.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/bbs.cgi 

作品が多く掲載されているHPは:

http://members.at.infoseek.co.jp/warentin/kidati.htm

また、現代詩フォーラム:http://po-m.com/forum/myframe.php?hid=369
ポエ会:http://www.poet.jp/ にも多くの作品を発表されています。是非ご覧ください。

 

今回のラジオで取り上げさせていただいた木立さんの短詩をその朗読順に下記に掲載させて頂きます。

瞳には瞳のかたち冬語り

目のかたち光ではない光かな
流れずに流れを告げる石標(しるべ)かな
左目に嫌われるたび澄む右目
野に沈む野の色の花野を揺らす
朝ひらく朝の失い、朝ひらく朝
ふりむけば道は草木に沈みゆく路なき路と手をつなぐ径

空を喰み空の色になるみずたまり
頭から頭をどけて朝を見る
腐(ふ)の足に手を接(つ)ぎ足して歩く道
ふたつ膝ふたつの光だきよせる
幽霊は短い昼の闇に立つ
南極と北極にだけ花咲きぬ
知りながら応え返さぬみずたまり
ころびゆく我が横に空たちあがる
ねむりたい頭のうえの冬蜜柑

こぼれゆく言葉は道にかがやいて見つめつづける冬と春の目
散る花と天馬のかたわら舞い踊るあなたの名前わたしの名前

闇のなか置き去りにされた鏡には置き去りの手がかがやいており
階段と蔦からむ窓ゆらす音めぐりめぐる手すがた持たぬ手
水底の窓という窓ひらかれて雨のまま来る滴に微笑む
羽が降る近さも遠さも無い朝の野に横たわる微笑みのひと
雨に憑くはばたきの音つもる夜
いつまでも夕焼けに棲む左の目
見も知らぬ機械の生まれを語る夢
何もない手に降りそそぐ宝石夜
目のなかにちいさな音の遊ぶ夜

首くくる光の如き窓のうた
道のうえ流れる棺桶つかまえる
歯ならびの悪い家から歌いだす
爪をたて朝のぼりゆくみずたまり

一本の糸が蛍を遠ざける
赤子の手何を語るや散る桜
ひとりからひとりへ渡る桜かな
硝子でも光でもなくむらさきは雪の穂波に遠去かりゆく

金色の光の崖に立つ家の窓から見える光の砂浜
雲駆ける冬の姿を知る春に光と音のお手玉は降る
まぼろしとたましいの姫みずたまり
足音を数えて迷う雪野原
鏡の手つなぐ水の手したたる陽
なだらかな時の坂道てまり唄



 (おわび:ラジオで2010年2月2日と言っていますが、2009年2月2日の間違いです。)

posted by rudolfkirsch at 20:59| 北京 | Comment(0) | TrackBack(0) | Poetry Garden Radio | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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